最近、VMWareServerからESXiに乗り換えようかと考えていた。
だが、RAIDカードの問題が重くのしかかる。
我が家のサーバの環境を少し説明しておこう。
このサーバはVMWare Server1で動いている。ESXiではないので、母艦であるホストOSがいる。
ストレージとしては、RAIDカードのRocketRaid3520でHDDを保護している。RAIDの内容は1TB*6のRAID6。つまり実効4TBと巨大だ。性能面でもシーケンシャル読み書き共に300MB/sを超えるハイスペックだ。
RAIDカードの管理は全て、ホストOSにインストールした管理ソフトで行っている。設定すればWEBベースで外部からでもアクセス可能なので、普段はホストOSにログインなどせずに、常用PCからブラウザでアクセスして管理している。ホストOSのファイアウォールでLAN内部のみアクセス許可している。非常に便利だ。
バックアップもかなり念入りで、ホストOSのタスクスケジュールで別のマシンにコピーしているため全自動で楽で安心だ。
普通に使う分には、もはやこれで十二分である。後継の新製品にRocketRaid4320があるが、性能が少しアップした程度ならば、買い換える必要はない。だが、VMWareESXiのことを考えると、3520と4320の間には大きな差が存在するのだ。
VMWareESXiは、ホストOS不在である。そのため、ハードウェアもかなり選ぶことで有名だが、RocketRaid4320は動作リストに載っているのだ。3520も最新ファームでESXiに対応しているようだがVMWareのサイトにはまだ載っていない。試していないが、両方ともおそらく認識して、ローカルディスクとして使えると踏んでいる。
これは、RAIDで保護された高性能内蔵ストレージをESXiのストレージとして使えることを意味する。iSCSIとかで別途ストレージ用サーバを用意する必要が無いことになる。ESXiは基本的にサーバ本体にデータを置かないのが推奨方針のようだが、個人の用途ではいろいろ難しい。やはり物理的に1台のマシンで完結したくなる。そもそも個人用途でサーバ統合が楽なので仮想化するような場合、統合するはずが2台になって複雑化するのでは効果半減だ。それにネットワーク経由ではストレージがボトルネックになる。iSCSIで300MB/sなど出るはずが無いし、性能面でもローカルストレージとしてRAIDカードが使えるのは非常にうれしい。
しかしそれ以上に重要な問題は、ESXiではRAID管理ソフトがインストールできないということだ。せっかく安全なRAIDカード上にシステム構築しても、HDDの障害検知も出来ないしオンラインリビルドも出来ないのでは恐ろしくて使えない。
RockeRaid3520はホストOSがないと、リブート後にBIOS上からしか管理が出来ないため、この時点でESXiで使うのは不適合といえる。しかし、RocketRaid4320はカード上に管理用の専用LANポートを持っていて、ホストOSが無くてもRAIDカードに直接LANケーブルさえさせば、WEBベースのRAID管理ができるようである。つまり、ESXiで使用中も、専用LAN経由でRAID管理が出来るということなので、この問題は全て解決である。この管理用LANポートの有無こそが、この2つのRAIDカードの最大の違いであり、VMWareESXiを検討するうえでの決定的な差になっているのである。
で、我が家は3520なので、やっぱりマシン1台でESXiで全部完結は無理なのである。
実は3520買ったとき、既に4320も発売していたのだが、まだ初物で1万くらい高かったのでやめたのだ。当時はESXiは雲の上の話で関係ないと思っていたため、LANポートの有無も大してメリットには思えなかった。それが今になって4320にしておけばよかったなんて思うが、後の祭りである。いまさら買い換えるのもあほらしいしもったいない。RAIDカードって中古だと高く売れないのよね。
結局ESXiではなく化石となりつつあるServer(しかもver.1)にしがみつくことになるのであった。